附中の誰も知らなかった秘話(その4) (投稿者:3−3 大場)

僕たちの技術の先生、松本先生(マッチャン)はなんとなく男気のある先生だったが、意外な一面として庭いじりの好きな先生だったのをみんなは覚えているだろうか?
附中の裏門の一帯はいわば「マッチャンの庭園」と呼んでもいいくらいに彼の手入れが行き届いた名園であった。花の名前すら知らない無骨な僕たちも黄色や赤の鮮やかな花々に魅せられることしばしだった。
それは3年生の春のある日のこと・・・

僕たち(*大場・鈴田・佐々木の悪クロトリオ)は昼休みのある楽しみがあった。それは裏門から抜け出して「宅の店」で100円のアイスクリームを食べることだった。
いつものように(毎日行っていたのではありません。念の為)裏門から「宅の店」へ行き、アイスを満喫した後「マッチャンの庭園」のそばを通りながら、

佐々木「この庭はきれいかねー。」
鈴田「ほんと、マッチャンがよう手入れしよっもんねー。」
大場「マッチャンは意外とマメかとやもんねー。」

などとその庭園を鑑賞していた。その時!彩色豊かな花々の中からなんと!麦わら帽子のマッチャンが立ちあがったのである。

マッチャン「マッチャンてダイカ?お前たちは昼休みにどこに行っとったとか!」

佐々木「あ・あの・・宅の店で家まで電話しよりました。」
マッチャン「電話はピロティにあっやろが。」
鈴田「混どって長う待たんばいかんごたったけん外に行きました。」

これはその瞬間、鈴田が思いついたヒラメキの最高の言訳だったが、マッチャンはその快心作をみごとに撃破した。

「ウソツケ!アイスクリームば食べてきとったとやろうが!」

後になってわかったことだが、急いで食べたために僕の口のまわりはまだ溶けきらないアイスがくっついていたのだった。その後マッチャンから僕たち悪クロトリオがしっかりしぼられたのはいうまでもない。

今は附中の裏門付近も手入れする先生もいないのか、マッチャンの庭園は見る影もないが、そこを通るたびに僕は草木の中からマッチャンが立ちあがってくるような錯覚におちいるのである。「コラ!お前たちはどこに行っとったとか!」と言いながら・・・・

おしまい。

(*秘話に登場する人物は全て実名が公表されます。悪う思わんどってね。)

【追加エピソード1 (鈴田 紀厚)】

買い食いしたのは『宅の店』1件にあらず、夏は宅の店のアイスクリーム。冬は、昭和町交差点の佐々木均君(2組)の実家の薬局並びの店で角地の俵商店(?)で『太鼓饅頭(回転焼)』たまにはその横の『みつや食堂』でかき氷とかを賞味し、中学生グルメ行脚の旅ば満喫。。。

【追加エピソード2 (佐々木 達也)】

「宅の店」で買い食いしていたのは、アイスクリームだけではなく、一番の売れ筋は「ハムかつパン」でした。いつもこのパンの在庫が少なく、奪い合うように買った記憶があります。