《選出の理由 》
虎落笛(もがりぶえ)とは、冬の激しい風が竹垣・柵などに吹きつけて発する笛のような音のことである。 作品は、冬に入り休耕となっている田を越え、その背景にある大自然の山をも刺すがごとき寒風を虎落笛に焦点をおいて、とらえている。感性鋭い作品で、私に届けられたものの中では卓越している。 その他の作品には、季重なりがあり、また語句の前後のリズムの調和がほしいものなどがあったが、いずれも温かさが感じられる作品ばかりであった。 |
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21回生の伸び伸びとした作品を拝見して羨ましくも楽しい体験をさせていただいた。 お互いに思ったこと、考えついたことを素直に表現していることは、その時そのときの貴重な人生体験になり、君たちの足跡となる。このための友情あふれる山本佳寿子さんと賀来恵子さんの努力を始め、諸兄姉に深甚より敬意を表する。皆さんの御活躍を期待します。参加させて頂いたことに感謝いたします。 敬白 |
紫陽花の雫煌めく雨上がり 「雫」と「煌めく」という綺麗な表現が重なってるので一考。 池渡る薫風清し松の陰 「薫風」と「清し」二つのうち一つを素朴な表現に! 散る春を集めて流す川面かな 「散る春」を具象性がほしいa 虫の音に先達頼む夜道かな 「先達」を詠む句に「頼む」と続くが、他の語はないか? 実る田に口紅のごとき彼岸花 「き」は不要 麦穂の実りて黄金月の下 「て(接続助詞)」は、この句にワンクッションおくことになるので…。 |