日本の国蝶で切手の図案にもなっています。大分・熊本県では九重・阿蘇を中心とした山地渓谷や丘陵地帯に生息地が多いのですが、長崎・佐賀県には生息していません。福岡県では英彦山系・古処山系・福知山系に生息していますが、県西部の背振山系には生息していないようです。年に1回6月下旬ころから姿を見せますが個体数は多くありません。 河川沿いや山地渓谷にあるエノキの大木で発生し周辺にあるクヌギ・コナラ・ナラガシワなどの樹液に集まります。♂は林縁のクヌギ枝先などに止まって見張り型の占有行動を示し、時には小鳥をも追飛します。滑空する姿は雄大で、国蝶にふさわしくたいへん印象的です。湿った路上で吸水する姿も見られます。 翅裏が黄色と白色の2型がありますが九州では白色型が多いようです。ゴマダラチョウと同様に11月下旬ころ3〜4令幼虫がエノキ根元の落葉に降りて越冬します。 |
大分県下毛郡山国町桑原 1993年7月24日16時30分 クヌギの樹液を吸汁する♂ (ミヤマクワガタ・カナブン・アオカナブン) |
山梨県韮崎市茅ヶ岳北麓 1986年7月30日16時30分 クヌギの樹液を吸汁する♀(アオカナブン) |
山梨県北巨摩郡須玉町若神子 1999年7月4日10時30分 クヌギ林の下草で休息中の♂ |
山梨県北巨摩郡須玉町若神子 1985年8月4日14時40分 クヌギ枝先で占有行動中の♂ |
山梨県北都留郡上野原町四方津 1999年6月26日14時50分 湿った石垣で吸水中の♂ |
福岡県田川郡添田町英彦山鷹巣キャンプ場 1993年7月24日13時00分 クヌギの樹液を吸汁中の白色型♂ |
山梨県北巨摩郡須玉町若神子 1997年8月2日15時40分 クヌギに飛来した黄色型♀ |
大分県玖珠郡玖珠町栃木 1996年1月17日 エノキ根元の落葉で越冬中の4令幼虫 |
大分県日田市箸立産(飼育) 1991年6月8日 エノキ小枝上に静止中の終令幼虫 |
神奈川県横浜市緑区恩田町 1984年6月30日 エノキ葉裏に下垂した蛹 |