附中の誰も知らなかった秘話(その5) (投稿者:3−3 大場)

それは2年生のある日、午後のホームルームのことだった。

僕たち2年1組男子クラスの担任はマッチャンこと松本先生だった。
その頃はホームルームの後、クラブ活動までのほんの30分位の時間がプロレスに興じる楽しいみんなのエンターテインメントタイムだったので、「マッチャンの話、早よ―終わらんかなー」と思いながら、話を聞いていた。
しかし、マッチャンから「最近プロレスで入江が佐々木に怪我させたりしとるけん、ぜったいしたらいかん!」と厳しい訓話が続いていた。

先日、入江のフルネルソンでタイヤこと佐々木が鎖骨を折ったばかりだった。
「あ〜あ、もう、プロレスできんばい」とみんながっかりしていたが、そうなるとマッチャンの話もウワノソラで僕は隣にいたニギタとぺチャぺチャ話し出した。

ニギタ「ワイの妹は何年生か?」
大場 「2っ下やけん、今小学6年さ」
ニギタ「ほんとや、誕生日はいつや?」
大場 「うちの妹は昭和33年3月3日の雛祭さねー」
ニギタ「へー、すごかね。女でよかったね。オイの妹は〇〇年の〇月〇日さねー」

そこで会話は終わった。なぜならマッチャンの大声が教室に鳴り響いたからであった。
「コラ!! ニギタと大場!! ワイどんは何ばしゃべりよっとか!!」
ニギタは立って正直に言った。
「はい、先生。妹の誕生日のことを話していました」
クラス内は大爆笑!マッチャンもさすがに次の言葉が
出てこなかった。        

                   おしまい。