(前ページより)別れから山頂までは、約30分、急に岩場が多くなり、気の根やロープにつかまりながらのぼる最大の難所。登山道の両端に積もっていた雪が山頂近くになると、雪解け水となって足下を悪くしている。全員の表情が険しくなり、話をする余裕も無い。普段町中で履いているようなズックのクリは氷の上を辛そうに歩いている。無理矢理登山をさせた私を恨んでいるかもしれない。しばらく顔を合わせないでおこう。
井手兄妹に目をやると、感心なことに兄が妹の手をしっかり握っているではないか。
すれ違う登山者に「お兄ちゃん偉いね」とか「頑張って!」とか声を掛けられている。子ども達は「はい」と返事をしながら益々元気に登って行った。
井手夫婦はどうだろう。こちらは見事にバラバラであった。
メイロウは病み上がりとはいえ、体重が昔と変わっていない為か新地の○君と違って実に身軽である。アニジャは相変わらずマイペース、写真を撮る余裕すらある。一見ひ弱に見えるが、体力があるのは多良山系で実証済みだ。極秘のトレーニングでもしているのだろうか。それとも雲仙にも昔の彼女との思い出があって心を熱くしているのだろうか。
そう考えているうちにやっと普賢岳山頂に着いた。万歳!
子ども達は早速「ヤッホー」と言っている。そう言えばアニジャは「ヤッホー」じゃなくて「ヤフー」と言うんだよと子供に指導していた。パソコンをしすぎるとここまで来るのかと恐ろしくなった。(下に続く)


登る人と降りる人、声掛け合って


最大の難所、ロープでの岩登り


ほらほら、つらら!!!


大きなつららを取ってもらっちゃった!!!


山頂での記念写真、急に晴れて、バックに平成新山が現われました!


平成新山の山頂、ごつごつした溶岩の向こうに、噴煙が上がっている


こちらはなだらかな稜線


お疲れさまでした!仁田峠まで元気で降りてきました!!


右に「おしどりの池」、左はゴルフ場です。


一番美しかった紅葉、のせのハム仲間撮影

(上の続き)平成新山をバックに写真撮影したあと、全員なぜか昼食を立って食べた。
立ち食いソバはあるが、おにぎりやイワシハンバーグを最後まで立って食べたのは初めてである。身体が真っ直ぐだから消化には良いかもしれないと思った。山頂は風もあり非常に寒かったので腰掛けてゆっくり食べる気持になれなかったのだろう。それでも冷たいビールを飲んでいる。クリが珍しくビールに口を付けないので、よっぽど体調でも悪いのかと心配したが「ここにトイレがあれば飲むのに」と悔しそうに言ったので安心した。
あれ?向こうから何処かで見たようなおじさんが笑いながら近づいてきた。稲岡君だ!何でもスイミングの仲間と登ってきたそうだ。我々に会いたくて来たのでは無いらしい。アニジャがビールを渡すと満面の笑みで下山していった。こんなところでミニ同窓会とは、長生きはするものだと思った。
お腹もいっぱいになり平成新山に別れを告げて下山。
帰りは、同じルートでは能がないとか上手いことを言って国見岳方面に向かたった。国見の別れで得意の強行採決をしようと企んでいたのだ。
しかし、事前に企みを読まれてしまい、子ども達の「温泉!温泉!」の声に押されて泣く泣く国見岳登山は諦め妙見神社へ進路を取った。
神社前でしばしの休憩を取り、ロープーウェイ横の展望台で写真撮影のあと出発した仁田峠に無事到着、雲仙岳一周の旅は終わりを告げた。
陶芸を楽しんだヤマモッちゃん・みーさん・ノリちゃんと合流して温泉にと、計画していたが、すっかり陶芸に魅せられた3人、今度は窯元の作品を見るとかでメイロウと4人別行動を取ることになった。残りの登山組は温泉で疲れを取るため、明日の鋭気を養うために青雲荘に向かった。
紅葉を眺めながらの温泉。打たせ湯、露天風呂あ〜〜極楽極楽!

今回企画した「晩秋の雲仙普賢岳登山と温泉の旅」に参加して頂いた同級生の皆さん、本当にありがとうございました!それぞれ楽しい秋の一日を過ごされたことと思います。今後も四季折々さらに楽しい旅を計画する予定ですので、今回体調が悪くて参加できなかった方も、次回は是非参加してくださいね。(終)

『[Fuchu21st:01252] 「晩秋の雲仙普賢岳登山と温泉の旅」の報告(のせ)』より全文

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